藤野家住宅について

大正15年に住まいとして建てられた藤野家住宅(国登録有形文化財)は、
通りに面して高い塀を構える典型的な「大塀造(だいべいづくり)」の町家の秀作。
塀の内側に、平屋建の「表側棟」と二階建「居住棟」を「玄関棟」でつないだ造りです。
玄関を兼ねた四畳半の茶室や、数寄屋風意匠が取り入れられた瀟洒な佇まい、
門の脇に雪隠や供待(待合)を備えた前庭を茶室の露地として使えるように演出しているのもみどころです。

DATA

築年 1926年(大正15年)
構造 主屋 木造2階建、瓦葺、建築面積102㎡
土蔵 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積21㎡
門及び塀 木造、瓦葺、門開口1.1m、供待、中門及び雪隠付き、塀延長27.5m
所在地 〒604-0881 京都市中京区高倉通竹屋町上る坂本町707 アクセスマップ
登録年月日 ◇国登録有形文化財(建造物) 
平成28(2016)年11月29日付け 
登録番号26-0508~0510

◇京都市指定重要京町家 
平成30(2018)年9月28日付け 
指定番号 第180928134号

◇京都を彩る建物や庭園(京都市) 
認定番号第141号

藤野家の歴史

承応年間 彦根(滋賀県)で酒造業を営んでいたと伝わる
明治31(1898)年6月2日 藤野外次郎・らく夫妻により藤野家再興
大正15(1926)年12月 藤野家住宅竣工 棟梁 三上吉兵衛
昭和13(1938)年2月 お蔵(土蔵)改築 棟梁 山田七蔵
昭和38(1965)年7月29日 再興初代藤野外次郎逝去
昭和45(1970)年7月6日 藤野らく(外次郎夫人)逝去
平成3(1991)年6月6日 再興2代目藤野正二逝去
平成20(2008)年10月6日 藤野静子(正二夫人)逝去
平成28(2016)年 藤野家住宅 京都市景観重要建築物に指定
平成28(2016)年11月29日 藤野家住宅 国登録有形文化財に登録
平成30(2018)年9月28日 藤野家住宅 重要京町家に指定(京都市)
令和元(2019)年9月1日~30日 第44回「京の夏の旅」で、藤野家住宅特別公開